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2013年06月19日22:33

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『John Rabe』

『John Rabe』

 とかく噂には尾ひれがつく。
なんでも自分で見ていないものは信じられないと言うわけではないが、出来るなら身を持って体験してから判断したいもの。

 いわゆる<南京大虐殺>を扱った映画で、日本では公開が不可能と言われるシロモノ。
これまでも『太陽』『靖国 YASUKUNI』など諸々の理由で公開が危ぶまれた映画はある。
なんとなく公開できない理由は推測がつく。(笑)
(しかし、見られないと言われると見たくなるのも人情…。)

 シーメンス社の南京支社長であったジョン・ラーベの残した日記を基にしているという話だが、どこまで信憑性があるのかは不明。
元々『日記』という主観的なもので、検証も定かではないため鵜呑みには出来ない。
歴史的な検証は別にして<映画>としての出来栄えも気になったし、反証するにしてもとりあえず相手の言い分は聞かねばならないためにアメリカ盤で鑑賞。

 よく比較に出される<南京のシンドラー>として現地の人々を救った美談がメインである。
スピルバーグの『シンドラーのリスト』と比較すると特筆するほどでもないといってもいいだろうが(決して悪くもなくそれなりには感動するが)、なにせ目も当てられない日本軍の残虐行為が次から次へと繰り出されるので、日本人としてはへき易するのは正直なところ。げっそり
再現された当時の南京の工場、南京の人々の生活などはなるほどと思わせるし、CG活用の爆撃シーンの迫力は感じる。
反戦映画としてよりはラーベという人物描写に軸足を置いている。

 問題の日記ではラーベ自身は一件の殺人現場すら見ておらず、中国兵による放火や略奪があったという中国に都合の悪い話も書かれていたらしいが、この映画では中国寄りとも取れる内容になっている。
それはこの映画に日本の資本は入っておらず、中国の資本が抽入されていることからも推察はつく。(独・仏・中合作)

 それでも日本人役には日本の俳優たちが当たっているのは良かったのではないか。
怪しげな中国人が日本人を演じるのは見るに耐えない。
香川照之、杉本哲太、ARATA、榎本明…など日本でも知られた俳優たちが短い時間ながら要所を固める。公開に対し問題視されるのは<朝香宮鳩彦王>を演じた香川クンという話も聞くが、抑えた演技で存在感を示している。
(ことの是非はともかく、この作品ではこれでよかったのでは?)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0401&f=national_0401_016.shtml


 ドイツ映画賞では作品はじめ4部門で受賞という栄誉を得たというだけあり、おしなべて俳優たちは見応えある。馴染みのあるところでは医師役でスティーブ・ブシェミの顔も見られる。

 鳥の暗喩は分かるけど、思いのほか演出に生かされてはいなかったのは残念。

 ちょっと謎だったのは27年間も中国で過ごしたラーベが満足に中国語を話せなかったのかということ。
話せるのかもしれないが、劇中では「ドイツ語を話せる中国人は貴重だ」というくだりがあるのは少し疑問。

 スピルバーグが『シンドラーのリスト』を撮った理由は“それとなく”分かるが(笑)、ではこの映画を撮った最大の理由は何か…そういう視点で考えることも大事かもしれない。

 ともかくこの映画から学ぶのは、戦争において重要なのはプロパガンダだということ。
だからこそ我々も<くさいものには蓋>で済ませずに、自身の頭で考え判断することが肝要なのだろう。(隠せば隠すだけ、疑わしく思える…)
キチンと<尾ひれ>を見抜く目を持ちたいものである。
何を持って<南京大虐殺>といっているのかの一端が知れただけでも見た甲斐はあったかと思う。

 いつの日か、日中合作で南京事件映画が作られたら観てみたいものだ。
ところで、チャン・イーモウの描く南京事件を扱った映画は公開されるの?

フォト



※初めて知った余談、戦後は<ゴルフの宮様>として知られる朝香宮鳩彦王だが、名誉会長を務める「東京ゴルフ倶楽部」が埼玉県に移転した際、移転先の膝折村が朝香宮にちなんで昭和7年5月1日に朝霞町(現朝霞市、宮号をそのまま使うのは畏れ多いとして一字を替えた)と改称されたのだそうです。へぇ〜〜〜〜。

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