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2013年05月07日00:02

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『恐怖と欲望』

『恐怖と欲望』

 キューブリック監督、本当にすまないと思っている。でも一ファンとしてはやはり観たいし知りたいのだ、あなたが<封印したかった過去>を。

 フィルモグラフィーに掲載されながら、監督自身が「アマチュアの仕事」と断言して現存するフィルムを可能な限るかき集めて処分した…はずだったのが一つ見つかってしまったのが運のつき。(笑)

 確かにキューブリックとしては凡庸な部類に入るだろうし、編集の不自然さも感じる。
しかしながら1953年の映画とは思えない瑞々しい鮮度を保った映像からキラリと光るものは感じるし、何より雇われ監督として引き継いだ『スパルタカス』よりもキューブリックらしさは出ていたように思う。
本作に描かれた兵士4人の敵地より脱出する劇も、次第に極限状態の狂気に侵食されてゆく様が描かれる。メンタルの弱い兵士をポール・マザースキーが演じていることも話題の一つ。

 キューブリックがカメラマン出身ということはファンには周知の事実だろうが、アングルの巧みさ、光と影の使い方などに手腕が遺憾なく発揮されていると感じる。
大きな違いといえば、後の作品と比べナレーション過多が目に付くことか。
『2001年宇宙の旅』では説明となるナレーションを削ったゆえ<難解>という意見を受けた人物とは思えないほど…。まだ若い頃は言葉で説明したかったのか?
意味深なダブルキャストにうっかりしていた自分が情けない。

 それでも半世紀を超えて解き放たれた何かは感じられた気がした。

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 残るは『拳闘試合の日』か。


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