『
カルテット!人生のオペラハウス』
「この映画を見る迄ヘヴィメタルは大嫌いだった。しかし、今まで見た映画の中で最も心に刺激を受け感動的で美しい映画だ!」 と『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』を観たダスティン・ホフマンは語ったそう。
自身も若き頃ピアニストになる夢を抱いていたためという心温まるエピソード。
そんな彼が初めて監督業に挑戦したのが本作。
俳優が監督業に挑戦したケースは珍しくないから、彼ほどの名優がここまで時間がかかったのが不思議なくらい。
人生の最後が見えてきて、悔いなく人生を終わりたいとは誰もが願うことだろう。
引退した音楽家のための老人ホームを舞台に<遣り残したこと>を成し遂げようという話は監督自身の思いと重なる気がする。
その意味ではまさに適切な脚本と機会だったに違いない。
ダスティン・ホフマン初監督作品は、老いのシリアスさよりも笑いに満ちた軽妙な一作。
主役<ジーン>より脇である<シシー>や<ウィルフ>の笑いの要素が強く印象を残したりするのはご愛嬌か。
ただ、
<吹き替えなし>の音楽シーンの演出意図は理解できるものの、その決断が自分の首を絞めてはいまいか。
その道のプロじゃなくともなりきって見せるのが俳優業とすれば、監督“ダスティン・ホフマン”の采配にはカタルシスが弱くなってはいまいかと小首を傾げてしまう。
ともあれ、ホフマンの第二楽章を待ちたい。
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