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2013年02月05日00:00

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『天使の分け前』

『天使の分け前』

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 「日本から海外へのお土産にするならウイスキーがいいよ。」と海外旅行のガイドからアドバイスを受けたことがある。
日本国内でウイスキー人気は下降線だが、世界的には5大産地と呼ばれるうちの一つ。そんな日本のウイスキーの手本となったのは、この映画にも描かれるスコッチ・ウイスキー。

 常に庶民目線のケン・ローチがカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した心温まるコメディ。
コメディといってもシリアスなシーンも織り込まれ、ずっしりと深みを与える。
ともすると、このシリアスさが重過ぎて引っ張られているかも知れないが、『エリックを探して』あたりに近いだろうか。

 人間誰しも一つや二つの特技は眠っているものだ。
しかし不幸にして発見できないまま終わることが多いのかもしれない。
生まれや育ちが悪くつまずいたとしても、若い頃の失敗は将来の肥やしにすれば良い。
主人公のロビーは不良と喧嘩が絶えず、もうじき父親になるというのにキレやすい性格は直らない。
更生のための社会奉仕活動で出会ったハリーという指導員が彼の運命を変える。
ある日、社会科見学(?)で立ち寄ったウイスキー蒸留所でロビーはウイスキーのテイスティングの才に気がつく。

 タイトルの『天使の分け前』というのはウイスキーファンにはお馴染みなのだろうが、樽で熟成中に年に2%ほど自然蒸発する分量をさす言葉らしい。なんともシャレている。ハート

 ロビーはある計画のため仲間たちと出かけるのだが、周囲を欺くためにスコットランドの民族衣装<キルト>を着用。民族衣装としてはよく知られているが、歴史を辿ればイングランド政府に反乱を起こしたハイランドの人々が多く着用していたということで、これ自体が<抗戦の証>という意味を持たせているのではないか。劇中にエディンバラ城が映し出されるのもまた同様の理由だろう。

 幾重にも張り巡らされた敵対関係が面白い。
無論ロビーといつも喧嘩の絶えない不良には先述のスコットランド対イングランドの構図が重ね合わせられていて、オークションでのライバルも実は…なんてあたりまで細かく仕込まれてある。
スコッチ・ウイスキーの世界的権威であるチャーリー・マクリーンが役者として出演しているのも一興。

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 禁酒・断酒中の人は覚悟して見てください。(笑)

(4月13日より銀座テアトルシネマ、クロージング作品として公開)
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