『
チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢』
叶わなかった恋ほど忘れられないものはない。
「あの時のキミは今どこに…」、きっと誰しも思い当たる節があるのではないか。
バイオリン奏者ナセル・アリの切ない恋心をチャーミングでトリッキーな映像で語る92分。
自伝的アニメーション『ペルセポリス』を作ったマルジャン・サトラピ監督の初の実写映画で今回も自作のコミック原作の映画化。舞台を実写に変えても『ペルセポリス』に通じる<コミックらしいタッチ>が見え隠れする。
とぼけた味わいのあるコミカルな前半とロマンティックな後半に分かれるが、
なまじ後半が魅力的だっただけに、構成やキャスティングを再考できなかったかと思わずにいられない。
ヒロイン<イラーヌ>を演じるゴルシフテ・ファラハニ(『彼女が消えた浜辺』のヒロイン)のチャーミングさは文句なしのかわいさだが、本妻ファランギース演じるマリア・デ・メディロス(『ぼくセザール10歳半1m39cm』など)もまた魅力的に写るのだ。
あまりに悪妻では困るが、良すぎるのも困りもの。
全てのキャストが役柄以上にかわいくなりすぎているのが問題か?
そもそも<男のロマン>と現実の妻や子どもは無関係…特に子どもに罪はないので、これでは“
ただの我がまま男の戯言”であり、共感を得にくいのではないか?
色彩の美しさやファンタジックな映像感覚は独特の魅力を放っているので勿体無い気もする。
タイトルになっている『チキンとプラム』が小道具程度で終わっているのも残念。
(老けメイクには苦笑)
試写会@よみうりホール(11月10日から順次公開)
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