第25回東京国際映画祭 10月26日
『サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ』(ワールドシネマ)
100年以上の歴史を持つ映画だが、その発展過程では様々な変化があった。
サイレントからトーキーに変わり、カラーになり、ワイド化やサラウンド、3Dも登場。
『スターウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』が上映された頃、DLP上映というのを耳にした覚えがある。
物はためしとフィルム上映と見比べたが色の乗りやエッジの切れはデジタル時代の到来を思わせた。
もっともデジタル移行を推進させたいルーカスがわざとフィルム変換を甘くした、なんてことも…。いやいやさすがにそれは考えすぎだろうけど。(苦笑)
映画界は時代の流れに逆らえずにデジタル化が進んでいるのは衆目の認めるところ。
撮影だけでなく編集も上映も…。
どちらも一長一短だと思うが、初期の頃は確かに<デジタル臭い>映像というのが存在した。
しかし、それも徐々に解消されてきて人間の目では判別できにくい次元まで到達していると思われる。そうなると趣味の問題か。
本編はハリウッド俳優キアヌ・リーブスが名だたる監督や撮影監督にインタビューして回るというもの。
インサイド物としては大変面白く、
カラリストなるスタッフの仕事振りを見て驚嘆するだろうが、映画の裏側に興味がない人にはどうだろうか?
<フィルム派>か<デジタル派>かという問いに対して比較的
監督たちはスタンスをクリアにしているが、
撮影監督のケースは柔軟な態度の人が多かったのはなるほどな…と思う。
それよりも『マトリックス』の監督だった元ラリー・ウォシャウスキーが
ラナになって初めてインタビューを受けている姿を見て、内容どころではなかった。(笑)
デヴィッド・リンチがいかにも彼らしいニュアンスで返答していたのが面白かったな。
上映後にゲストの
黒沢清監督と撮影監督の
栗田豊通さんによるトークショーがあった。
思わず「その通り」と膝を打ったのは、黒沢監督曰く「観客の視点が抜け落ちている」という指摘。
見ている観客はデジタルかアナログフィルムかなんて気にしてみている人はいないのではという説明。これまでの様々な変更と比べ、表面的には分かりずらい。
映画館にはデジタル上映できないと生き残れず、体力ない劇場は閉館せざるを得なくなり、そういうことが昨今のミニシアター閉館ラッシュに拍車をかけていることもあろう。
その反面、シネコンの大半ではすでにフィルム上映は出来なくなりつつあるというのが日本の現状だという。
そのことに触れた時、ミスター・スマイリー(勝手にあだなつけてゴメン)こと矢田部氏の顔つきが曇った瞬間でもあった。
(上映できなくなった作品は、最悪でもソフト化されたらまだしも…と思うけど)
『ある嘘つきの物語 モンティ・パイソンのグレアム・チャップマン自伝』(ワールドシネマ)
<トラは死んで皮を残す>といわれるが、グレアム・チャップマンは<声>を残して死んだ。
自身の自伝を録音した音声素材が残されていて、それを後世の人が作り上げたグレアム・チャップマンの変則的自伝映画。
監督は3人いるのだが、その一人がメンバーであるテリー・ジョーンズの息子だったのが幸いしたらしい。
様々なスタイルのシュールでブラックなアニメーション表現がユニーク。
グレアム自身、ゲイはカミングアウトしていたがアル中は隠していたという繊細な人物だが、分かる気がする。
性的嗜好は恥ずべきことではないが、依存症は弱みだもの。
モンティ・パイソンの実際のフィルムを時折混ぜながら、企画に賛同したパイソンズらが実際に声の担当をしているのもポイント高しでしょう。(ただしエリック・アイドルを除く)
しかし、フロイトの声の主にビックリ!
誰か一発で分かる人はいるかな?
細かいところまで遊びが感じられグローブボックスにさりげなく入っている<
スパム缶>にニヤリとなる。
ただ凝ったアニメーションを3Dで、オマケに字幕では目が疲れるため出来れば往年のメンバーによる吹き替えで観たかったけど、日本のパイソンズは本家以上に鬼籍に入っているメンバーが多いので無理ですよね。残念…。
グレアム・チャップマンの葬儀で弔辞を読むジョン・クリーズに思わず泣き笑い。
モンティ・パイソンファンならばきっと楽しめることでしょう。
(監督のひとり、テリーの息子ではない。)
この日はマニアックな二本立てでした。
(多分、来年両方公開されるのでは?)
これで今年のTIFF体験は終了。
与太話ですが、ルーカス・フィルムがディズニーに身売りして、『スターウォーズep7』が制作されるそうですね。
それとは別に海外ではファンが修正(!)したAdywanバージョンなるものも存在しているとか…。
http://ameblo.jp/addicto/day-20111028.html
正規発売…しないのかな?(無理?)
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