『
おおかみこどもの雨と雪』
覚悟と決意の映画。
人以外の生き物と恋愛するだけでも、たいていは受け入れがたいはず。
なのにヒロイン<花>は<おおかみおとこ>を受け入れる。
この大きな山を乗り越えた時点で、<花>の勝利は確定的。
…まぁそうは言っても現実面としては山あり谷あり、
子育て奮闘記は異種間に限った苦労でもないだろう。
人目を避けてたはずなのに、思わぬところから人のぬくもりが伝わる前半が好き。
実際の田舎はこんな理想郷ではないと思うけど(苦笑)、謙虚に生きる人にはこうであって欲しい。
自然な中で無邪気に走り回る子どもたちの姿は<何の子であれ>微笑ましく思える。
花は種が運ばれてきて、ある場所に根付く。
どんなことが起きても“泣き言”言わずに咲き誇るのが花の特徴なのか…などと思ってみたりして。
食品の空き瓶を花瓶にしつらえるなど、貧しくとも潤いをなくさない何気ない生活描写が<花>の性格を良くあらわしていて好感が持てる。
人間と狼、どちらも善とも悪とも決め付けていないのが良い。
故に決断の道はいずれであっても<正解>だろう、覚悟と決意さえあれば。
スタッフにはこれまでも『時かけ』『サマーウォーズ』と細田作品を支えた面々が見て取れる。
今回もだが、美術の美しさは筆舌に尽くしがたい。
主役クラスに俳優を活用していた中、<花>の声を担当した宮崎あおいは合っていたと思う。<おおかみおとこ>の大沢たかおは大沢たかおだったかな。いや、いい意味で。(笑)
「なぜ笑う」と菅原文太演じる韮崎のじいちゃんは小言を言うが、笑顔でいることが幸せを呼び込むのじゃないか?その意味でも、もうちょっと韮崎のじいちゃんとの絡みが見たかった気もする。
終始ウルウルしながらもどこか不満を覚えるのは、いつまでもこの物語が終わって欲しくなかったからかもしれない。
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