イタリア映画祭は写真の整理とか時間かかりそうなので、後回しにして…。
『
わが母の記』
井上靖の自伝的原作の映画化というが、描かれる人物や時代からはまさにかつて存在したであろう文豪生活を偲ばせる。
映画は親子三世代の愛情のリレーをじっくりと時間をかけて描き出す。
抱え続けていたトラウマが信頼に変わる瞬間、してやられた。
あたかも一つの輪が閉じるかのような構成が、時折点景として描きこまれる美しい四季と重なるようでしっくりくる。
撮影の芦澤明子が切り取るカットの美しさ、役者の紡ぎだすさりげない所作にハッとさせられる。
おそらく日本人ならば、どこか琴線に触れる部分があるのではないか…と思ったが、海外での評判のよさを耳にするにつけ、私が感じているよりももっと大きな作品なのかもしれない。
しかし当時の教養人ならばベルイマンくらいは知っていよう(と思うが、いかに?)。
それとも世俗に疎いという意味合いなのだろうか?
いまだ学生服姿が似合う宮崎あおいの若々しさも驚きだが、自我がニョキニョキ伸びてくるあたりに、逆に血のつながりを感じる演出。
役所広司、キムラ緑子、赤間麻里子とやわらかく自然体な芝居がいっそう物語を引き立てる中で、なんと言っても
特筆すべきは樹木希林。圧倒的存在感!
彼女にNGテイクは存在するのかと疑いたくもなる。
ところで編集者の<佇まい>には思わず吹き出してしまったけど、あれは<
歴史的事実>なのだろうか?(笑)
本物の井上靖邸で撮影したと聞き背筋が伸びる思いがした。
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