備忘録、TOKYO FILMeX 2011
『
グッドバイ』
<自国で疎外される>くらいなら、おサラバしていっそのこと<他国で疎外されたい>。
何の変哲もないタイトルに込められた思いは、並々ならぬ決意の表れか。
制作サイドがどんな気持ちで付けたのかを噛み締める。
自然光の中、奇をてらわない実直なまでの作りは真正面から受け止めて欲しい願いなのだろうか、テヘランで…イランで生きる不自由さが随所ににじみ出る。
ジャーナリストの夫が政府から追われるというのは、随分とストレートなものの表現。実際に逮捕されたことがあるモハマド・ラスーロフ監督の分身といってもいいのか。
身重の妻ヌーラの出産問題に触れ、同じ望み薄ならせめて海外で…と望むあたりにことの重大さが言い表されているように思う。
ただでさえ、子育ては容易ではない。彼女のケースはさらに深刻だ。
それでもいかに困難を極めるといってもポジティブさもチラリと見せるあたりにやはり<子ども>は未来の象徴であるのだろう。せめてそう解釈したい。
エレベーターでの緊張感や部屋での捜索シーンの長まわしも印象に残る。
苦言を呈するのは、まだ自国を愛している証拠だろう。
…と、残り20分くらいの大事なクライマックスで
機材のトラブルによる中断は双方にとって悔やまれる。
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