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2012年04月21日01:23

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備忘録、TOKYO FILMeX 2011『人山人海』

TOKYO FILMeX 2011
『人山人海』

 『海千山千』ではなく『人山人海』である。
人が山のようにうじゃうじゃ集まる<黒山の人だかり>状態を指すらしいが、登場人物らは海千山千の連中が多い。(笑)
弟を殺された兄が一年かけて犯人を探し出したという実際にあった事件を元にした骨っぽい社会派ドラマ。

 ある日、バイクで白タク運送をしていた弟が殺害される。それを知った兄が必死に探し続けるというもので、ひとつの事件を追いながら、中国が抱える様々な問題をあぶりだしている。厳しい炭鉱の姿、富裕層と貧困層の格差、急速な発展の裏側にある闇…、国家としては外に見せたくなかったであろう部分が多く描かれる。
主人公を演じたのはチェン・ジェンビン、セリフに頼らない芝居がリアルさを体現。

 比較的豊かで明るい南の街から話の流れとともに、霧の立ち込める貧しい北の地へ向かうのも犯人追跡という緊張感の演出に一役買っている。
殺人事件なら警察に任せたらよかろうと思うのは日本人の感覚かも知れないが、映画に描かれる警察はおよそまじめに仕事をしているとは思えない。(笑)
このあたりも社会批判となっているのだろう。

 どこが見所といって、登場するシーンそれぞれが馴染みの薄い場面ばかりで驚愕。
主人公が犯人家族と一緒に黙々と食事をするシーンや犯罪に手を染めないと生きてゆけない貧困層の厳しさ、道路にはセンターラインもろくになくノーヘルでバイク走行も当たり前な場面など、全てに基準が違う世界が水墨画のような風景の中で展開する現実は、シュールを通り越しているかも。
(幾分『長江哀歌』 に共通する点もあるか?)
現実問題として北方の炭鉱は厳しい環境ゆえ、正体不明の輩でも仕事に就ける状況にあるという。
それゆえ犯罪者の溜まり場ともなっている。

 ひたすら弟のあだ討ちという個人の目的で行動している兄が、最終的には個人という枠を超え大儀を振りかざすあたりが作品を特別なものにしているのではないか。壮絶なラストにはまっとうな解決策が残っていない絶望感とわずかにのぞく人間らしさがない交ぜとなる。

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ヴェネツィア映画祭銀獅子賞(監督)受賞

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