『
ニーチェの馬』
久しぶりに映画を見て<
対峙する>という言葉が頭をよぎった。
抑制された台詞と行動、色までもが極端に抑えられた世界が眼前に広がる。
驚くほどの長回しと純化された動きから観客は推察するのみ。
ループされる終わりなき日常。
しかしそれとて保証の限りではない。
荒れ狂い吹き付ける風。
動かぬ半身。
不安を語る者。
物言わぬ馬の無言の抵抗。
全体を覆う不穏な弦楽曲。
…それぞれが意味深に物語る。
いかに紐解いてもそこから得られるメッセージは暗鬱たるものしか出て来ず、どこにも逃げ道がない無常観が支配する。個人的にはタル・ベーラ監督が生まれ育ったハンガリーの社会背景も少なからず影響を与えていると思うのだが、
終末に向かう閉塞感はそこに留まるわけでもなかろう。
反芻しながら楽しむ向きには最適なテキストかと思う。
我、深淵に飲み込まれる…。
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