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2020年10月16日03:17

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『金陵十三釵 』

『金陵十三釵 』(きんりょうじゅうさんさ、英語題:The Flowers of War)

 いわゆる南京事件を題材にした中国映画で、中国映画史上最高レベルの製作費を投じられたという。
監督は名匠チャン・イーモウ。主演にクリスチャン・ベール。日本からも渡部篤郎ら数名がキャスティングされている。
中国では大ヒットしたが当然のごとく日本では未公開。(まぁそうでしょうね)
日本では配信もソフト化も望めないだろうが、韓国盤ブルーレイに日本語字幕を収録。
フォト

 1937年の南京。
神父の葬儀のために訪れた米国人納棺師ジョン(クリスチャン・ベール)は教会への道中に侵攻してきた日本軍から逃げ惑う女学生(修道女)らと同行する。
おりしも娼館から救いを求めて教会へ逃げ込む娼婦らと同居することとなる。
その日から日本軍の手を逃れて南京を脱出するかの作戦が練られる。

 ともかく「お金かかっているなぁ」という美術セットや迫力ある戦闘シーン。
『プライベート・ライアン』とまでは言わないが、市街戦は思わず手に汗握る。
冒頭の戦闘シーンを除くと映画の大半は教会がメイン。
この納棺師ジョンがかなりの俗物で、カネ・酒・色欲にしか興味がない凡人。
しかし、女学生や娼婦らとともに行動するうちに次第に彼女らに共感し始める。
祭服をまとってからジョン自身が文字通り善良なクリスチャンになってゆく過程は見事なメタファーになっている。

 チャン・イーモウらしく映像の美しさは特筆もの。
特に教会のステンドグラスを使った光の使い方に顕著。娼婦らの派手な衣装も殺伐とした風景に映える。

 無論、内容が内容だけに(日本人なら目を覆いたくなるような)日本兵の残虐さが強調されて描かれているものの、俯瞰で見れば戦争がもたらす女性や子供といった弱者への悲劇や暴力による人権侵害といった万国共通の普遍性は感じ取れる。
小道具や納棺師(ソフトの字幕では葬儀屋)の設定も生かされる場面も良い。

 欲を言えば特典映像にも日本語字幕があれば良かったのに。
メイキング映像を見るとスタッフが揃いも揃ってダウンジャケットを着こんでいる。
それだけ寒かったんだろうと思うとキャストはさぞかし…。冷や汗

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