『
ファヒム パリが見た奇跡』
「自助・共助・公助」という文言がニュースで飛び交うが、本作は公助を得られず、自助で道を見つけるしかない難民の物語。
ともすると出来すぎな展開だが、これが実話だというのだから恐れ入る。
チェスの天性を感じさせるバングラデシュの少年ファヒム。
父親が反政府組織で活動していることもあって、父とともにパリへ逃れチェスの腕を磨く。
やがて名コーチとの出会いが運命を変えてゆく。
成功譚・成長物語であるとともに政治的な側面は世界の難民問題をも盛り込んだ作品。
難民申請の苦労は日本も直面するグローバルな問題。
ファヒムも苦労が絶えないのだが、それよりも息子のために奔走し、なれない異国で我慢に我慢を重ねる父親の姿にハラハラしっぱなし。
子どもがすぐに言葉の壁を乗り越えるのに対して、言語で苦労する父には頷くばかり。
年齢的にも父親に感情移入しがち。
コーチ役のジェラール・ドパルデューは時に粗暴ながらも温かみのある役柄を演じる。
チェス教室の他の生徒たちのニュートラルな態度も好感が持てる。
困難に立ち向かうときに自分の努力は何より大切だろう。
そして周囲のサポートも力になることも多いと思う。
しかし、モデルになったファヒム・モハンマドの現状を思うに公助の力添えは何よりの助けになるのではないか。
これも決してよその国の話ではあるまい。
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