新コロで年が始まり、五輪が流れ、香港弾圧、九州豪雨、そして猛暑といろいろ忍耐力が試されている2020年。
米国で劇場が開かないためにハリウッド大作の公開も延期に次ぐ延期…。
なるべく人込みを避けるようにということもあり、自主的軟禁生活が続く。
おかげで少し(ほんの少し)山積みソフトに手を出している。
まぁ、こういう機会でもないと…ということもあり、好機ととらえよう。
タイトルだけ、もしくは名前だけ知っていても作品自体をよく知らないこともある。
ヒッチコック、英国が生んだサスペンスの巨匠も然り。
無駄なく、テンポよく進む演出、アドリブを嫌い、ロケを厭う。
全ては計算の中にあるからだろう。
代表作の一つ『裏窓』の導入部分。
タイトルである窓からカメラは映し出す。
そしてゆっくりと一人の男にパンダウン。
曇った顔つきで座る男の体を舐めるように下ってゆくと、足にギブス。
骨折しているようだ。
カメラがその先に映すのは壊れたカメラ。
なるほどこの壊れたカメラがケガの原因か。
次に決定的瞬間をとらえた数々の写真。
カーレースでクラッシュの瞬間をとらえている。
更にカメラは映し出す。
少女のポートレイトのネガフィルム。
それを基にした雑誌の表紙。
この男が雑誌の表紙を飾るほどの有名なカメラマンであることが分かる。
ここまで台詞は一切なし。ワンカットのカメラワークで説明している。
また別の作品。
常に何かに挑戦していたヒッチコック。
『サイコ』のシャワーシーンを見るまでもなく卓越したモンタージュ技術でも知られる。(なんでもフィルムをチェックしなくとも「ここの何コマと次の何コマ」と頭にすべて入っているという。)
そのモンタージュ技術を使わず、長回し撮影したことで知られる『ロープ』。
とかくこの“疑似ワンカット”で語られることが多いが、その実この作品で真の挑戦はゲイを扱っていることだという。(『噂の二人』よりもずっと前のこと)
原作を知っている人には周知の事だったらしいが、当時のハリウッドではタブーだったために脚本段階で検閲が入るカットされたセリフ(愛しのキミ)があるという。
観た人の記憶に残っているだろうか。
男の同級生二人が別の同級生を殺すシーンから始まっている。
何も説明がなく見れば<友情>ものかもしれないが、その話を知ってから見ると見え方が変わってくる。
もしもまだ存命だったら今のテクノロジーを活用してどういう作品を撮っていただろうか…。たらればはないものの想像してみたくなる。
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