『
ぶあいそうな手紙』
これまたオンライン試写会にての鑑賞。
終活映画であり、友情映画であり、また家族の絆の物語でもある。
人は誰しも自分の人生を振り返る時期が来る。
ブラジル南部の街ポルトアレグレ、視力を失いつつある78歳の独居老人のエルネストとふとしたきっかけで知り合い手紙の読み書きを手伝うこととなった若い娘ビアの奇妙な交流物語。
年齢も性別も価値観もかけ離れた二人が偶然出会う。
しかし、交わるはずのなかった二人に共通するのは“孤独を抱えている”ことである。
エルネスト爺さんはかなりの頑固者。
それゆえ本心をさらけ出すのをためらう。
そこを解きほぐすのが全く逆の小娘の存在。
ビアの闖入によって平穏な(だが、うら寂しい)生活は一変する。
ジックリと丁寧に描写される。
時にはじれったいほどに…。
エルネストの故郷ウルグアイの公用語はスペイン語だが、舞台のブラジルではポルトガル語という現実も孤独感を際立たせているのだろう。
懐かしい故郷からの手紙には郷愁が募るのも無理からぬ話。
老人は手紙、書籍、レコードといった温もりある古めかしいものを愛する。
それは自身の失われゆく人生を惜しむように。
言葉を大切にする作品で、それは脚本のちょっとしたひねりにも感じ取れる。
主演を『ウィスキー』のホルヘ・ボラーニが演じ、脚本協力に『苺とチョコレート』の原作者セネルト・パスの名も見える。
(確かに味わいは似ているかも)
人と人が繋がりにくい時代にこそ届けたい想いが詰まっている。
7月18日より シネスイッチ銀座で公開予定。
出来れば予告編は目に焼き付くほどは見ないで。(笑)
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