『ペット・セメタリー』
S・キング原作で二回映画化されている。
一度目は1989年、二度目は昨年。
…ということで、89年版もキチンと見てなかったために違いを比較するためにも両方鑑賞。
【1989年版】
医者である父と家庭的な母、それに一男一女の仲睦まじい一家に起きた悲劇。
愛するがあまりに死を受け入れられずに蘇えりの禁じ手を使ってしまう心の弱さ、愚かさを描く。
カメオ出演もするS・キングが自らの原作を脚色した一作。
愛猫の蘇えりの失敗に内心気が付きながらも、愛する息子の喪失に<盲目>となって同じ轍を踏む未熟さ。
医者という論理的な立場ながら非科学的な呪いを信じてしまう矛盾に人間らしさを見る。
安易な行動の代償は小さくはないという教訓を突きつける。
いかにも80年代という映像で今観ると怖さよりもノスタルジーを感じてしまうのが難点か。
禁断の力を使ってまで死者を蘇えらせるというのはクローン技術の危険性に通じる気がした。
難しいと言われるキング原作の映画化ではまずまず成功の部類だろうか。
主題歌にはキング自身がファンだということで実現したラモーンズが担当。
【2019年版】
1989年版と基本設定は変わってないが、娘と息子の役割がバトンタッチ。
男女の差よりも会話ができるかどうかが大きなポイント。
無自覚な幼児と違い、意思疎通できる相手では恐怖の意味合いが微妙に変化。
会話ができることでテーマの炙り出しには成功したかもしれないが、、説明臭くなってホラーとしては理屈っぽいかもしれない。
映像は今どきの技術なので、ヒンヤリした森の空気感や色のトーンの美しさを感じる。
89年版と比べて微妙なアレンジは原作をリスペクトしながら新鮮味を出そうとした工夫の跡が見られる。
オリジナル版を知らなくとも鑑賞には問題ないが、89年版を知ってから見た方がニヤリとできる点はある。
死者を冒涜するかのような身勝手な行動の結末は、ある意味大団円なのだろうか。
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