『
ロケットマン』
音楽には癒し効果があると言われる。
しかし、一番その癒しが必要だったかもしれない天才、エルトン・ジョンの半生記。
『ボヘミアン・ラプソディ』の撮影終盤、現場放棄したブライアン・シンガーに代わって監督を受け持ったデクスター・フレッチャーがメガホンを取る。
同じようなロックスターの伝記映画なので比較は避けられないか。
必要だったときに親の愛情が得られなかった幼少期から、成功のステップを上る過程がつぶさに描かれる。
冒頭の家庭内の様子や“友人”との関係性のエピソードは興味深く楽しめたが、成功を収めてからアルコールやドラッグで転落するくだりは少々型通りというか、面白みに欠ける。
つまりはあまりに真面目に描いてしまったのが裏目に出てやしないかということ。
ミュージカル仕立ての演出ももっとユニークさがあっても…と思う。
歌詞に合わせてパズルのような組み立ての巧みさは見事だが。
派手なステージ衣装の再現や自身の歌声を披露するタロン・エガートンの熱演ぶりは見応えあるが、よき理解者の祖母への想いも中途半端に終わった気がしてならない。
モデルのエルトン自身が製作総指揮に加わっているし、かつ存命の人物だけに突っ込みにくい点はあったかもしれない。
キャスティングの妙味を味わえるエンディングは必見。
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