『
ピータールー マンチェスターの悲劇』
歴史に疎いと映画で世界史を知ることも珍しくない。
その意味でも見る価値はあったかと思う。
名匠マイク・リーが英国史上、最も残酷と言われる<ピータールーの虐殺>を描く。
ナポレオン戦争終結後の貧困に苦しむ英国庶民の姿は決して過去の物語でもよその国の話でもない。
既得権益を守ろうとする権力者と立ち向かう市井の人々の姿は古今東西問わず。
まだ一般市民に投票権もなく、富裕層のやりたい放題だった時代に風穴をあけんと立ち上がる姿に共感できる人は多いだろう。
ともかく大勢が登場する群像絵巻であるが、ことさら過剰な演出をすることなく、出来るだけフラットにとらえようとしているのに気が付く。
ゆえに劇的な面白味にかけて退屈と映る向きもあるかもしれないが、それだからこそマイク・リーの信用できる点だ。
(いたずらにヒステリックに盛り上げようとする感情に寄せた演出はともすると本質を見失う恐れもあるのでは?)
あまり有名なスター俳優が出ていない点もマイク・リーらしいし、正解だろう。
こうして見ると機械や科学は進歩しても人間はちっとも進化していないのだと痛感する。
過去の犠牲を無駄のしないことこそ今を生きるものの責務ではないのか。
余談ながら本事件がガーディアン紙を生み出すきっかけとなったそうだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する