『
メモリーズ・オブ・サマー』
タイトルが示すようにひと夏の想い出を描いた“間違いないヤツ”。
母子の関係と信頼感という命題は誰もが体験することではないか。
1970年代のポーランドの田舎町、父親が出稼ぎに出ていて、12歳になるピョトレックは母と二人暮らし。
子供が最初に最も深い信頼をもって絆を結ぶのは母親だろう。
しかし、親とて人の子、完全な人間などあろうはずもなく小さな綻びから信頼という壁は崩れ始める。
また思春期ともなれば子供も親から離れて行く年頃…。
舞台となるポーランドの小さなコミュニティというのも逃げ出すことも出来ずに秘密も持てないという息苦しい環境を感じさせる。
劇中で幾度となく繰り返されるシーンがある。
出るたびごとに、それぞれに意味が変わってきていて演出の妙味を感じさせる。
(この辺は好きな演出。)
小道具の使い方も印象的で、どこか懐かしいような風景も見どころの一つ。
監督のアダム・グジンスキはこれが長編2作目という。
撮影監督をイエジー・スコリモフスキ作品でも知られるアダム・シコラが担当していることからも信頼が厚いのではないか。
友人や隣人との付き合い、淡い恋心と信頼関係とが入り乱れて一つ階段を上がる。
そんな危うい年頃をひと夏の体験と瑞々しい映像でとらえた秀作。
想像力をかき立てる幕切れも良い。
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