『
希望の灯り』
冷戦が終結して、東西ドイツ統一に沸いた日はいつだったか。
西側から見れば安堵する結末だったかもしれないが、東の住民は幸福になったのだろうか。
旧東ドイツだった場所のスーパーマーケットで働く人々の話。
無口な新人青年にアドバイスする周囲のスタッフらとの淡々としながらも心温まる交流を持つ姿が描かれる。
少し陰気なスーパーの内部、店舗というよりも倉庫という印象が強い。
狭い通路の圧迫感。東西の壁が崩壊したのが皮肉に感じる壁のような商品棚。
向こうの棚で働く女性スタッフに恋心を抱きながらも手が届かないもどかしさなども設備を演出に生かしている。
BGMとして使われる「美しく青きドナウ」と無機質な店内から『2001年宇宙の旅』を想起するのはたやすい。
店員の<孤独の旅>とイメージが重なる。
歴史に“もし…”はないが、東西統一しなかったら彼らの生活はどうだったろうか。
自由はなかったかもしれないが、<それなりの保証>や<生きがい>もあったのではないか。
<無口な>青年の意味するところやタバコ休憩する場所がまるで監獄のように見えるのも演出意図がうかがえる。
職業選択の自由とは名ばかりで行き場のない彼らの現状にギュッと締め付けられるものもある。
扱うのが厄介でハラハラさせられたフォークリフトにポジティブなワンアイディアがあったのは嬉しい。
ログインしてコメントを確認・投稿する