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2018年05月07日02:30

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イタリア映画祭2018 『ザ・プレイス』『侵入する女』『チャンブラにて』

イタリア映画祭2018
残りの鑑賞作品についても簡単に記しておこう。

『ザ・プレイス』
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 『おとなの事情』で楽しませてくれたパオロ・ジェノベーゼ監督による新作。
<ザ・プレイス>という名のカフェに居続ける謎の男の元に悩みを解決すべく集まる人々の悲喜こもごもを描く。

 やはりというか今回も舞台を思わせるひとひねりある会話劇。
謎の男と<悪魔の契約>を交わし実行すると不可能に思えた問題が解決するというのだ。

 ちょっとシュールな寓話で『世にも奇妙な物語』を思わせる面白さがある。
ズルしてでも欲望をかなえようとする人間の弱さには頷けるところがあるのではないか。
このカフェの女店員の存在がまた比喩的で、それは名前に顕著。
(この悪魔の使いのような男がずっと食事をし続けるというのも“欲望を食べる”ことの比喩なのだろう。)

 『おとなの事情』と同様にイタリア映画ではお馴染みの俳優たちがこぞって出演。
脚本の面白さがウリであろうから詳細は伏せるが、相反する指令を下されていくなどして各人の悩みが巧妙に絡みだしていくあたりからグイグイ引き込まれる。
ほぼカフェしか映し出さないあたりも舞台劇を感じさせるが、演技力とホンの面白さで飽きさせない。
誰でも生まれ変われるチャンスはあるという視点は希望を感じさせる。


『侵入する女』
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 社会派の重いドラマ。
ナポリ郊外にあるレクリエーションセンターを営む女性ジョヴァンナが主人公で、恵まれない子供たちの支援活動を行っていた。
ある時、幼い子供を連れた若い母親マリアに離れのコテージを提供したが、カモッラの家族と知れ渡り、周囲の反対との葛藤に揺れ動くさまを描く。

 実話が基になっているという。
父親が裏社会の人間であっても幼い子供に罪はない。
しかし、周囲の市民は白い目で見がち。

 幼い子供を一人で育てようともがくマリアもまだ幼いといえる年頃。
裏社会の人間と結婚したことが自己責任と、今の風潮ならいいそうだが、果たしてそれだけの判断ができる力があったのか。
夫が事件を起こさなかったら女手一つの苦労はしなくて済んだはず。
いつの時代も犠牲になるのは女性と子供。

 出演者はほぼ素人で、施設として使われた敷地のご近所さんたちという。
わずか3〜4日のドラマだが、それゆえに正しい判断や解決方法を見出す難しさを感じずにはいられない。

監督のQ&Aがあった。
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『チャンブラにて』
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 ジョナス・カルピニャーノ監督が前作『地中海』と同じ南イタリアのカラブリアを舞台にロマの少年がたくましく生きるさまを映し出す。
イタリア社会の暗部というか底辺を映し出すやりきれない作品だが、『地中海』同様に出演者はほとんどが自分自身を演じている。
物語はフィクションではあるが、半分ドキュメンタリーのように見えるのはそのためだろう。

 14歳の少年ピオは年長の兄たちに路上生活の手法をレクチャーされる。
まだ一人前扱いを受けないことを不満に感じて無理をするあたりも心が痛む。
ピオたちがしていることは褒められることではないが、だからと言って責任が彼らだけにあると突き放すことも憚れる。
もしも自分がその境遇に生まれ落ちたらどうしていたのか…。

 同じように底辺に生きるアフリカからの不法移民の一団とは距離を置いている。
そんな中で、ピオ少年だけは分け隔てなく交流を持つあたりに“未来の希望”を感じなくもないが、マフィア・ロマ・アフリカ移民と社会の底辺に生きる人たちでもヒエラルキーが存在しているというのは発見だった。

 生き延びるためにはすべてが正当化されるという、弱者が弱者を食いものにする悲しい現実が重くのしかかる。

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