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2018年04月10日02:05

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『ラブレス』

『ラブレス』

 ロシアが生んだ鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ監督は観客に想像してほしいという。
言われるまでもなく想像なくして解釈はできないのではなかろうか。
『ハッピーエンド』のミヒャエル・ハネケのようにこの監督も自分の作家性を崩さない。

 愛情がなく離婚待ったなしの夫婦にはそれぞれすでにパートナーがいる。
<子はかすがい>というがこの夫婦は逆で、子供にとっては立場がない。
そもそも子供は親を選んで生まれてきたわけではないのに…。

 親権を押し付け合う12歳の息子が行方不明になって、仕方なく協力して探す道すがら何を考えるか。それは劇中の夫婦だけでなく観客である我々もだ。
とかく傲慢で身勝手になりがちな人間の醜い部分を照らし出す。
捜索で探す所が荒涼とした場所ばかりで、あたかも少年の存在を象徴するかのようである。

 ロシアでは行方不明になる子供が多いといい、ボランティアの捜索隊の協力も得るという。
身勝手な夫婦が人の闇の部分なら、こうしたボランティアは光の部分なのか。
ミステリーの側面もなくはないが、それが目的ではないから推理小説のようなものを期待すると消化不良を感じるかもしれない。

 ところで、夫婦が捜し歩く際に車中(カーステレオ?)で英国のバンドBring Me the Horizonの“Sleepwalking”が流れる。
対訳は出ないが、後で調べてみてこの曲の歌詞が行方不明になった息子の心情を代弁しているように思えてならなかった。
(ただし、この曲が収録されているアルバム「Sempiternal」は捜索の時点ではまだ発売されていない。逆に言えばそうまでして使用したかった意図があったことの証明になるかもしれない。)

 終盤TVに映し出される映像が、この夫婦の関係と重なるようで、改めて“子供の失踪事件”の持つ意味を噛みしめる。

フォト


(歌詞の参考ブログ)
http://rock-metal-wayaku.seesaa.net/article/436121817.html


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