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2018年04月08日02:57

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『ラッキー』

『ラッキー』

 日々のルーティンが崩れた時に老いを実感する。
いつか自分にも降りかかる問題で、“退屈なルーティン”で過ごせる日々がどれほど“ラッキー”なのかを思い知る。

 『パリ、テキサス』などで活躍し、これが遺作というハリー・ディーン・スタントンへあて書きされただけあり、見事にマッチしている。
実際は必ずしも劇中のような人物ではなかったと思うが、さもありなんという風情を感じる。

 近年取り上げられることも増えた<終活問題>。
避けては通れない問題に直面して改めて気が付くこともある。
劇中のラッキーとともに思わず自己の人生を振り返ってみたくなった。

 偏屈爺さんと呼べるラッキーに特別な大事件が起きるわけでもなく、派手な演出があるわけでもないが、素材の持つ味というのか噛めば噛むほどにじみ出る味わいが豊かな作品。
どこか哲学的で、メモを取りたくなる“いいセリフ”が随所にある。
ここは是非とも映画の中で味わってみて欲しい。

 これが初監督とは思えない俳優出身のジョン・キャロル・リンチの手腕も見事なもので、監督と俳優の枠を超え長年交流があったというデヴィッド・リンチ監督の(いかにも彼らしい役柄の)出演もハナを添える。
名バイプレイヤーとして活躍したハリー・ディーン・スタントンだが、本作の亀の名バイプレイヤーぶりに笑みをこぼしたのではないか。
名俳優は作品の中で永遠に生き続ける。

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