『
レッド・スパロー』
つい先日、英国で元ロシアスパイが“何者かによって”毒殺されかけたという事件があった。
冷戦が終わって随分経つのに未だにキナ臭い“噂”が絶えないあたりに本作の信ぴょう性も高いと感じた。
オスカー女優、ジェニファー・ローレンスが体を張った演技(大胆なヌードシーンにも挑戦)で、バレリーナからスパイに転身していく様子がつぶさに描き出される。
(バレリーナ時代の相手役にセルゲイ・ポルーニンをキャスティングしているのもナイス。)
いわゆるハニートラップを仕掛ける女スパイとしての訓練を受けるのだが、活躍の派手さよりも地道でヘビーな特訓が脳裏に焼き付き、機械になるべく人間性を排除されていく過程に辟易させられる。
原作を元CIA捜査官が書いているというのもそれを裏付けるようだ。
ハニートラップ術を教える鬼教官に『愛の嵐』のシャーロット・ランプリングというのもハマってる。
スリル感あるスパイ同士の騙し合いは、この手の映画ではお約束だが、脚本にひねりがあるのが中々上手いと思った。
生きるためには国家のために忠誠をつくしながらも、人間性を奪われまいともがく姿は色々な所に当てはまるのではないか。
特殊な職業なので倫理観で推し量るのもナンセンスかとは思うが、昨今のパワハラやセクハラとダブるようでもある。
ただ、景観や美術はいいと思うが、どうみてもジェニファー・ローレンスはボリショイ・バレエの一員には思えない。それに金髪パッツンも微妙かな…。
叔父ワーニャ・エゴロフを演じるマティアス・スーナールツはイメージ通りのロシア情報庁の幹部を思わせる。
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