『
勝手にふるえてろ』
不器用なヒロインを演じる松岡茉優の魅力に尽きる。
このキャラクターに共感できるかどうかで評価は別れそう。
余り親しんでいるわけではないが、原作者“綿矢りさ”の作風は内側に入り込む印象がある。
これも例外ではなく自身の妄想力で揺れ動く若い女性の恋愛模様をユーモアに描く。
恋に恋する乙女というのか、実体験の伴わないシミュレーション恋愛に明け暮れるヒロインの痛いエピソードが繰り広げられる。
一人称の台詞の分量が半端なく、そういった意味でも松岡茉優の映画となっている。
なんでもこれが初主演なんだそう。
しかし、文章の映像化という意味では、その咀嚼力はかなりのものではないか。
自身で歌うミュージカル風のシーンまであり、彼女なくしてこの映画は成立しなかったと言っても過言ではあるまい。
とかく男性が描く女性像は大なり小なり美化されていることが珍しくないが、本作は原作者だけでなく監督も女性という点で、(誇張はあっても)いかにも現実にいそうな印象を受ける。
脇の人物のその後が気になる点もなくはないが、あくまでもヒロイン・ヨシカの物語ということで割り切ろう。
理想と現実のせめぎあいから一つ階段を上る成長物語としての落としどころも的確。
“こじらせ女子”映画としては、歴史に名を遺す逸品かも…。
(劇中で松岡が描くイラストの腕前が中々のものだったのだが、そこもリアルだったのか?)
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