『
婚約者の友人』
フランソワ・オゾン監督が第一次大戦後を舞台に、婚約者フランツを失くしたアンナがフランツの墓を訪れた謎の青年アドリアンの隠された秘密に迫るミステリー。
エルンスト・ルビッチ『私の殺した男』の原作となったモーリス・ロスタンの戯曲がベースという話だが、オゾン監督は大胆に変更を加えていると聞く。(原作、映画化共に未読未見。)
それだからなのか一見クラシカルなメロドラマに見える。
ルビッチの映画のあらすじを読むと確かに前半の<ドイツ編>部分は重なるように思えるが(事実、ここまでの展開はほぼ読めてしまう)、オゾンらしさが発揮されるのは、いわば後半の<フランス編>ではないか。
モノクロの画面の中で時折見せる淡いカラー映像。
そこの計算も強かに思える。
アンナの内面の変化を捉えた抑えた演技と撮影は見応えたっぷり。
このアンナ役のパウラ・ベーアは本作の演技でヴェネツィア映画祭新人賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を受賞したというのも頷ける存在感を示す。
オゾン監督の女優選びの眼力は確かだ。
<嘘も方便>という諺を思い起こさせ、負の連鎖を止めて希望を抱く赦しの映画なのか。
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