『
あさがくるまえに』
心臓移植をめぐるさまざまな人間ドラマ。
臓器移植の裏側を丁寧に真正面から描き出す。
医療ものではあるが、あまり技術的な側面は強くせずに、あくまでもヒューマンドラマとして感動的な構成になっている。
実際に最愛の家族の臓器提供の運命を自分が握っていたとしたら、どういう判定を下すだろうか。
どうすることが当人の為だったのかと思いを巡らすのではないか。
それでも容易に結論は出まい。
臓器を提供する方も受ける方も両方の人間ドラマが作品に奥行きを与える。
面白いのは決断を迫られるのはどちらも中年だという点。
臓器提供するのは若い青年であるが選択権は彼にない。
決めるのは中年の両親。(特に母親が際立つ)
方や受けるのも中年の女性。
彼女には半ば人生に諦めを持っているような複雑な事情も垣間見える。
これは監督自身が女性監督ということも関係しているのだろうか。
(まさに自分ならどうするかを自問自答しているようだ)
多くを語らずに人生の魅力を映像と音で感じさせたのも好演出。
(映像の美しさは特筆もの)
移植コーディネーター役のトマが良い。
見るのが辛いシーンもあるが、まずは必見ではないか。
中々生きづらい時代だが、人が良識を捨てない限りいつしか“希望”は目覚める。
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