『
パターソン』
同じ設定や脚本を使って映画化してもジム・ジャームッシュじゃなければこういう風にはならないだろう。
それくらい彼らしい作品に仕上がっていたと思う。
近年の作品よりも初期を思い出すのは、アイディアを思いついたのがその頃だからだろうか。
27年ぶりという永瀬正敏の出演も相乗効果を与える。
ハリウッド娯楽大作や派手な演出作品に親しんでいる人には肩すかしの場面が多いのではないかと思うが、これこそがジャームッシュ・テースト。
パターソンという小さな町のバスの運転手パターソン(アダム・ドライヴァー)が平々凡々と過ごす7日間の話で、特に何ということはない日常の積み重ねが語られる。
パターソンはバスの運転手であるが、むしろ比重は趣味の詩作にある。
派手なことを何もさせない主人公にアダム・ドライヴァー(運転手役にドライヴァーって狙ったのかな?…笑)が扮するがいかにもヌボーッとした風貌があっている。
終始平坦な中にあってピンポイントでほんの少しアクセントをつけているのも監督のセンスを感じる。
家庭内を占拠する白黒のシンプルなデザインもまたジャームッシュらしい。
日々変わらぬルーティンにまんざらでもないパターソンを見ていると、立身出世のために疲弊する人生よりも幸福そうだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する