『
哭声/コクソン』
よくできた芸術作品やエンタメは世相を映す鏡ともいわれるが、昨今の日韓関係と照らし合わせるととても興味深いことが浮かび上がる。
物語は韓国の片田舎の村に謎の日本人が住み着いていることから始まる。
閉鎖的な村の規律がよそ者によって破られ、村を覆う重苦しい空気はやがて連続猟奇殺人事件に発展する。
その陰には常に謎の日本人の存在があり、取り調べる田舎の警察官の娘にも異変が表れて…。
何とも摩訶不思議な映画。『八つ墓村』が『エクソシスト』になって『ウォーキング・デッド』になる展開の目まぐるしさとジャンルを飛び越えるあたりは先が読めない。
今流行のマッシュアップだろうか。(笑)
かなり無茶苦茶やっているのだが、強引にまとめ上げる手腕はさすが『チェイサー』『哀しき獣』のナ・ホンジン監督。
ミステリアスな日本人の正体や真の目的が明かされた時に思わずハタと膝を打つ。
こうした考えもまた韓国人の一例だろう。
今の時代だからこそ韓国からこうした作品が生まれたことを素直に受け止めたい。
謎の日本人を演じる國村隼の静かな魔物的恐怖感がとても良い。
彼の役は日本人でなければならなかったし、キチンと日本人俳優が引き受けたことも評価大。
祈祷師や警察官の娘を演じた俳優たちも全員大熱演で、その熱にやられそう。
血や汗、泥んこの強烈な匂いまでも伝わりそうで、バイオレンス激しく上映時間もやや長いため、幾分ハードルは高いかもしれないが観て損はないと思う。
タイトルにある『哭』とは泣くことを指すが、声をあげて泣いているのは誰が何のためなのか。
主人公である警察官がふと漏らす言葉が深い!
公開館が少ないからか、シネマート新宿は平日昼間なのにメチャクチャ込んでいた。

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