mixiユーザー(id:11939455)

2017年02月11日03:41

371 view

『お嬢さん』

『お嬢さん』

 「このミステリーがすごい!」で1位を取ったサラ・ウォーターズの傑作ミステリー「荊の城」の映画化。
原作の19世紀の英国から、舞台を1939年の日本統治下の朝鮮半島に置き換える。
これがドンピシャ! 少しいかがわしい時代といい、当時の和洋折衷の屋敷の雰囲気といい妖しげな匂いがプンプン。

 監督は『オールド・ボーイ』であっと言わせ、『イノセント・ガーデン』ではハリウッド進出も果たした韓国の巨匠パク・チャヌク。

 官能的でありながらコミカル、そして二転三転するミステリアスな展開が最後までグイグイ引っ張る。
歴史的建造物が残る三重県でロケも敢行されたと聞く。
堂々たる屋敷も見ごたえあるが、幾重にも仕掛けられた装置の類もよくできている。

 日本統治下という設定ゆえ、日本語の会話もかなりあるのだが、韓国人俳優の予想以上に健闘に驚く。
(無論、完全とはいかないが、そこはコミカルな味付けも功を奏していたのではないか。)
同じシーンが繰り返される箇所でもコミカルだったのが、視点を変えてみると全く別の感情が沸き上がるあたりの演出の巧みさには唸らされる。

 ストーリー面以外で特筆される見どころの一つは女性同士の美しい濡れ場だろう。
実はここにこそメッセージが集約されているのかもしれない。
当時の男社会と格差社会、また日本統治下という主従関係など、至る所に上下の力関係が存在している。
その視点で観察すれば、裸であることの意味もおのずと感じ取れるのでは?

 <お嬢様>の秀子という名前は、監督が最も敬愛する高峰秀子から取っているということ。(演じたキム・ミニは少しばかり松たか子に似ている気もする。そして詐欺師である伯爵を演じるハ・ジョンウは大鶴義丹に似ているから、このキャストで日本版リメイクも“あり”か?)あせあせ

 時代性と妖艶さや隠されたダークな秘密から江戸川乱歩のミステリーをも想起した。
コミカルさとグロテスクが共存するのもパク・チャヌク映画らしい。

 ミステリー作品なので、余計な情報は入れずに劇場に足を運ぶことをオススメ。
邦題は…おそらく高峰秀子が出演した同名映画の存在もあったのではなかろうか。
体を張って濡れ場を演じきった女優らに拍手。手(パー)

(暫定的に、現時点で今年一番かも…)
3月3日公開、試写会@スペースSF
ゲストに監督のパク・チャヌクと作家の島本理生(前日のプレミア試写会では真木よう子だったらしい…、羨ましい…)が登壇。

フォト


内容は下記などを参照。
http://www.cinematoday.jp/page/N0089495

気になったのが通訳さんの文章の最後が「〇〇ま〜す」「〇〇で〜す」と妙に伸びる点…。
何か軽い感じに聞こえてしまう。(汗)

島本さんから監督へ初対面の人にオススメ映画をあげるとしたらの質問…で返答されていたのが次の5本。

『山猫』(ヴィスコンティ)
『乱れる』(成瀬巳喜男)
『下女』(キム・ギヨン)
『赤い影』(ニコラス・ローグ)
『めまい』(ヒッチコック)

監督の作風と結びつく気がする。もしかして本作を紐解くヒントになっているかも。(笑)

フォト
プレスシートをいただいてきました。
6 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年02月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728    

最近の日記