『
アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』
戦後のナチ残党狩りの中でもアイヒマンはつとに知られる存在。
数百万ともいわれるユダヤ人を収容所送りにしたナチス戦犯。
映画は彼を捉えるまでの困難な道を一人の検事フリッツ・バウアーの視点で描き出す。
アイヒマンを扱った映画はいくつかあるし、裁判の様子はニュース素材でも知られているだろうが、彼を追い続けたサイドの裏話は興味深い題材に思える。
再現ドラマの部類ではかなり見応えあり、今の時代であっても失われてはならない魂を感じる。
なんとしてもドイツの法廷にアイヒマンを立たせたいバウアーの執念はイスラエルの諜報機関モサドや国内のナチの残党との駆け引きや圧力に屈せずに戦うが、これが中々の難敵。
手を焼く様子は近年の日本でも共通点を感じさせる。
(それだけ戦争をキチンと終わらせるということは難しいことだということは知っておくべきだろう。)
かの時代の西ドイツでは同性愛がこれほどまでにタブーだったことは初耳だった。
またそれが堅苦しい社会派ドラマに艶を与えることになっているのはなんとも皮肉的。(苦笑)
どこからどこまでが脚色なのかは分からないが、ハッとさせられる新情報も随分とあったように思う。
検事役バウアーを演じたブルクハルト・クラウスナーのチャーミングさが光る。
戦争を風化させないためにも見る価値がある作品ではないか。
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