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2016年12月20日22:43

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『幸せなひとりぼっち』

『幸せなひとりぼっち』

 自治体の些細なルールにも融通が利かないほど頑固な偏屈爺さんオーヴェ。
買い物の割引で店員に難癖つけ、近所付き合いでも嫌われオーラだしまくり。
だが、彼にも同情の余地がある。
最愛の妻に先立たれ、職も失い、親友とも絶縁状態で生きる希望を持てないのだ。
思い余って彼は自殺を試みるが、そんな矢先に隣にパルヴァネの一家が越してきて、マイペースを保っていたオーヴェの生活は乱されることとなる。

 原作はベストセラー小説と聞くが、独居老人の悲哀は『孤独のススメ』と似ている印象を持つ。(邦題の方向音痴っぷりも…。苦笑)
スウェーデンでは史上3位の大ヒットと聞くが、それも頷けるほど口当たりのいい映画。

 精神が“動脈硬化”を起こしている偏屈爺さんを活性化するのは“よそ者”のパルヴァネ。
よく人は「死と直面して人生を見つめ直す」というが、本作の主人公は自分で死と直面しようとしている。
経緯は何であれ、自らの過去を思い出し自分とキチンと対峙する様子を観客と共有するのは分かりやすい展開。
父親との思い出も人格形成を知るうえで大切だが、それ以上に妻の存在が大きかったのは手に取るように伝わる。
実際、亡き妻の明るさや強さはオーヴェじゃなくとも魅入られる。

 北欧らしい(?)少しブラックなユーモアセンスも効いている。
過去の想い出にしがみついていたオーヴェにもたらす<新たな出会い>が次のステップになるのは定番だが説得力はあろう。

 衣服であったり、愛車であったり、ロープであったり青色がオーヴェのアイデンティティのように示される、あたかもブルーカラーの職務に誇りを持っていたかのように…。(あるいはスウェーデンの国旗の色?)

 オーヴェを演じたスウェーデンの実力派俳優ロルフ・ラッスゴードは老けて見えるが、撮影時はほぼ同年代だったみたいだ。コメディ役者ではないというが、逆にそれが計算じゃないおかしみを醸し出していた。

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