昨年のイタリア映画祭でも上映されていたようだが、先ごろのロードショーにも間に合わず、ようやく郊外のミニシアターでの鑑賞。
すべりこみで間に合ってよかった。
『
人間の値打ち』
読み物的にとても面白く書けている脚本というのが第一印象。
人間の業が自らを貶めるというなんとも皮肉な展開だが、大半の登場人物の動機や対処法があまりに人間臭すぎて唸るほかない。
『見わたすかぎり人生』のパオロ・ヴィルズィ監督の熟練の上手さが光る一作。
原作がアメリカの小説とは思えないほど巧みにイタリア社会に形を変えている。
逆に言えば、描き出される問題点は普遍性を持ち合わせているということなのかもしれない。
ひき逃げ事故をめぐって繰り広げられる3組の家族を描いたミステリーで、パズルをはめるように同じ事故を時系列や主役を入れ替えながら関係が繋がってゆく過程が楽しめる。
お金が人生のすべてではないとは言っても、やはり人はお金に支配されがち。
教訓的な説話と取ることも出来そうな人間ドラマで、人生にとって何が大切なのかを突きつけられる。表向きは良い人間を装いながらも、その実小物ばかりで何とも言えない気分にさせられる。
退廃的でゴージャスな雰囲気は実にイタリアらしい。
富豪の奥方を演じて主演女優賞をさらったヴァレリア・ブルーニ・テデスキの有閑マダムっぷりも見事だが、映画初出演というマティルデ・ジョリの(俳優としての)値打ちはグングン上がりそうな予感がする。(はぁと)
イタリアのアカデミー賞と言われるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で7部門を受賞。
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