『
こころに剣士を』
第二次世界大戦下はドイツに占領され、その後はソ連の支配下に置かれたエストニア。
そんな悲しい歴史を持つ小国に隠された実話を基にした心温まる話。
男性教師エンデルが片田舎町の学校に赴任してくるところから話は始まる。
生徒たちはソ連の圧政のために親を亡くしている子が大半という悲惨な状況。
体育教師として赴任したものの、体育施設はボロボロで満足に使える器具も何もない。
はからずも課外授業でフェンシングを教えることになった元有名選手と生徒たちとの交流が始まる。
作品を支配する寒々とした空気は地方の貧しさや時代だけではなく、スターリン時代のソ連支配下という恐怖がそうさせているのだろう。
秘密警察に追われるエンデルが息をひそめて暮らす保守的な片田舎の学校で生きがいを見つけることや、逃げ回る人生と向き合う勇気をもらう姿には共感を覚えるし、背中を押したくなる。
実話物とはいえお約束の展開に終始するし、踏み込みが浅ささも少々気にならなくはないのだが、嫌味のない<間違いのない>感動作。
重苦しい空気の中でも、希望と明るさを失わない子供たちの姿だけでも癒される。
子役が魅力的で
愛くるしいマルタちゃんを見るだけでも一見の価値はある。
監督が『ヤコブへの手紙』のクラウス・ハロと聞けば「なるほど」と思う人も多いのではないか。
どこかノスタルジックなBGMも心地よい。
試写会@一ツ橋ホール
12月24日よりヒューマントラスト有楽町などで公開。
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