『
ガール・オン・ザ・トレイン』
ベストセラーだと聞く原作小説は未読。
婦人が行方不明になるというので『ゴーン・ガール』的なひねりのある展開が待ち受けているのかと思いきや、案外とありがちなミステリーに落ち着いてしまった感がある。
ただ、時系列を巧みに組み替えて趣向を凝らしたトリッキーさは評価できるかも。
電車に乗車中、私もこの映画のレイチェル(エミリー・ブラント)同様に「人間観察」をしてしまうことがある。
「この人の職業は何だろう。どこの出身だろうか…」などと、つい考えてしまう。
他人の秘密(?)を偶然目にすることからも列車から見た『裏窓』のような趣も感じる。
離婚して女友達の家に転がり込んだレイチェルが傷心をいやすために<アル中>になっているのがミソで、記憶の断片を手繰り寄せて謎を解明していく展開に引き込まれる。
人は痴情のもつれや心の弱さを依存症という形で補っている事への警鐘も込められているのだろうか。
簡単にばれる嘘の裏付けの甘さは脚本としては穴になりかねないのではないかとも思ったが、原作者が女性だというのは非常に納得した。
男に振り回されるヒロインに(男性にたいして)個人的な恨みつらみが込められているように思えてならなかった。(笑)
映像が美しいのは特筆もの。光線をチラチラ取り入れている撮影テクニックは印象的。
エミリー・ブラントの「なりきりアル中」がウマすぎて怖い。(笑)
一方で芝居のディープさと比べるとどうにも謎の浅さがバランスを悪くしているようで、社会性が弱くなった要因ではないか。
男優陣にもう少し華…というか個性が欲しい気もした。(見た目も性格もステレオタイプな印象を受ける。この点も女性目線なのだろうか。)
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