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2016年10月10日02:15

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『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』

『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』

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 科学技術の発達は我々の生活様式を一変させたが、それは戦争においても同様。
戦地に赴いて命の危険をさらさずに済むなら、そうしたくなるのは当然ともいえる。
だが、それは別の問題を生む。
無人ドローン攻撃によるモラルの問題や責任問題など取りざたされることもしばしばあるが、そういった側面に切り込む問題作。
(軍事技術の恩恵はお掃除ロボ「ルンバ」などにも転用されている。)

 ネット社会と言われて久しいが、仕事でも遊びでも他人と向き合わないことも増えてきた。情報を得るのも外回りせずに机の前で済ませる時代。(個人的には望ましいとは思えないが…。)

 英米が合同でテロリストを逮捕のための作戦行動中、長年の追跡でようやくターゲットを補足できたものの、テロリストたちは自爆テロの準備中と判明して殺害排除に目的を変更。しかし、ドローン攻撃を実行すると罪なき少女の命を危険にさらしてしまう恐れが出てくる。

 進むも戻るも苦渋の決断を強いられる。
無差別テロが横行する時代だからこそ未然に防ぐ事は理解できるものの、犯行をおかしていない時点で殺害は正当化できるのか。
「正しい判断」の難しさは深く胸に突き刺さる。

 英米両チームは同じ英語を話しているとはいえ、互いの心までは通じ合わない。
それは会議室から攻撃命令の判断を下す政治家と現場で指揮を執る軍部との間でも同じこと。
原則論で筋を通したいモラル優先派も、まずはテロリスト排除したいリアリストの意見もどちらの立場もわかる。
それだけに簡単には答えは導き出せない。

 端的に言えば『ドローン・オブ・ウォー』に『シン・ゴジラ』の会議シーンを加味したような面白さが味わえる。
駆け引きの材料にされる「少女の命」は<未来>を意味することで間違いはないだろう。
鳥型スパイドローンなどのハイテク兵器には驚嘆。

 監督は『ツォツィ』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のギャヴィン・フッド。
英国軍所属で現場指揮を執るキャサリン・パウエル大佐役のヘレン・ミレンの芯の強さも見事だが、これが実写出演では最後となったアラン・リックマン演じるベンソン中将の言い放つ台詞に問題の難しさと深さが表れていたように思う。
長いエンドロールの最中もじっと考えさせられる。

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12月、TOHOシネマズシャンテにてロードショー

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