『
イレブン・ミニッツ』
シミのような点は安定した世界の調和を乱す。
あってはならない汚れのような“点”が観る者の心にジワリと不安を広げてゆくかのよう…。
手法のユニークさが目を引く。
17時から始まる11分間の話を11人と1匹の犬(笑)で視点を変えて時間を巻き戻しながら描き出す。
全く交わるはずのない人たちを引き寄せる運命の糸は、明らかに9.11以降の世界を思わせる。
至る所に仕掛けがあり、とても一度の鑑賞では掴みきれまい。
いや、何度見ても読み取れなければわかるまい。そんな気がした。
(監督自身の手による絵画までは注意が回らなかった。)
不穏な音楽が支配するようにとても音響設計が大切に感じる。
本筋から外れるかもしれないが
プログレッシブ・ロック的な映画だと感じた。
音自体もそうだが、構成においてである。
加速度を増していき、溜めに溜めて解放の一撃をくらわす。
シンフォニック的という言い方も出来ようか。
10でも12でもない半端な数字に隠された秘密には不安定さや不完全さ匂わす効果もあっただろうし、遠目で見たら11はツインタワーに見えなくもない。
クロスする運命と交差点もクロス、1+1もクロス(十字架)にできる。
低空飛行の航空機もテロを思わせるが、これは時には不条理にもなる運命共同体の一つの例えだろうか。
キャラごとに撮影方法や見せ方も変わるのも面白い。
77歳にしてこれだけエネルギッシュで挑戦的な映画作りができるスコリモフスキはさすが鬼才と言われるだけのことはある。
多種多様の人間模様。それぞれがドラマチックであるはずだが、広い目線で見れば全てが取るに足らない小さな点でしかない。
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