『
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』
映画の技法以前に伝えるべき大切なこともある。
パリ郊外の貧困層が通う学校の、その中でも落ちこぼれ教室(学級崩壊の酷さに目も当てられない!)の担任で歴史の教師でもあるアンヌ・ゲゲン先生は自由勝手な生徒たちに『ナチス』をテーマにして全国歴史コンクールに参加しようと訴える。
多種多様の人種や宗教のクラスが一つの課題を与えられてどう変わるのか…。
実話が基なんだそうだが、今どきの学生は「こんなことも知らないのか」というほど第二次世界大戦の記憶の風化は仏国でも進んでいるのだと愕然となる。
しかし、知らないことは恥ではない。
知らないでいることこそを恥じるべき。
過去の過ちを正しく未来へ受け継ぐことこそが大切。
先生の仕掛けに対しあまりにも素直にハマりすぎるのは実話だから良しとするが、そうでなければ少しご都合主義にも思えるかもしれない。
移民が多く、日常のいがみ合いも人種や宗教的背景だったりする彼らにとって、まさに人種や宗教での弾圧があったアウシュビッツは最適な課題だったろう。
自然に見える芝居やハンディカメラの撮影も良いが、多種多様の生徒たちのキャストが光る。
何よりもアンヌ・ゲゲン先生を演じたアリアンヌ・アスカリッドが素晴らしい。
厳しくも包容力があり知的な存在感が説得力を持たせている。
映画は作り物ではあるが、重要な本人役で登場している方がいて、さながらドキュメンタリー映画の瞬間。
ただ、冒頭イスラム教徒のスカーフ云々のエピソードの象徴するところは分かるものの、やや婉曲なまま終わったような印象で勿体ない。
いやしかし、教師は大変だ。
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