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2016年07月23日02:29

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『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

 人は心に壁を作る。
人種や政治・宗教の違いで差別を繰り返す歴史は、悲しいが今も変わらない。

 『ローマの休日』の真の脚本家としても知られるハリウッドの名脚本家ダルトン・トランボ。
ハリウッド・テンの一人として赤狩りにあった第二次世界大戦後の冷戦下が描かれる。
それは、あたかも現在のイスラム系への迫害や差別問題と符合するようだ。
この時代にトランボの半生記が語られる意図はまさにそこにあるのではないか。

 ユダヤ人、黒人、そして今はアラブ系のイスラム教徒と、いわれなき理由で迫害され続けてきた歴史がある。
同じように政治思想が当時の敵国・ソ連を思わせるからと、“自由の国”であるはずの米国から自由が消えている。
とても恐ろしい状況だが、誰も異を唱えることができない。
 
 赤狩りで干された時にトランボは偽名で書くことを決意する。
それは嘘であり背信行為と捉えることもできるが、声高にイデオロギーを叫んで自滅する青臭いことができなかったのはトランボの性格ととともに家族の存在もあったのではないか。

 まるで子供のような理不尽なイジメを受ける中、政治信条に捕らわれずにトランボの才能を正しく評価する人が現れるところには希望を感じる。
芸術家が干されるのは、その芸術の輝きを失ったときだけだ。
それ以外の理由があってはならないと思う。

 当時のフィルムを交えながら、映画史に残る出来事が語られるのは映画ファンならずとも楽しめるのではないか。(“あの映画”や“あの映画”などの裏側が見られたのは興味深い)
しかし、名脚本家のドラマを描く脚本家は相当覚悟がいったのではないか。
監督はコメディ畑のジェイ・ローチ。

 『ブレイキング・バッド』で一躍時の人となったブライアン・クランストンがトランボ役を熱演。劇中で登場する有名人のキャスティングがツボだった。(笑)特にカーク・ダグラスを演じたディーン・オゴーマンには思わずニヤリ。

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 アメリカに限らず、世界は過去から学んで愚かな歴史を繰り返してはならない。

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