『
AMY エイミー』
好きなことを仕事にするのは、その人を幸せにするのか。
好きなことで生計を立てられるのは理想的だと思うかもしれないが、歌が好きだった少女の「こんなはずじゃなかった」という声が聞こえてきそうだった。
若くして頂点へのぼりつめて、わずか27歳で散ってしまった稀代のヴォーカリスト、エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画。
個人的には曲もろくに知らないので、エイミーの波乱万丈の人生は初めて知った。
ミュージシャンが辿る道としては珍しいとは思わないが、歌の才能を除けばどこにでもいる普通の女の子だったのだろうと感じた。いや、むしろ普通よりも繊細でか弱い女性だったのかも。
今どきの有名人の伝記ものらしく、ふんだんにフッテージが残されていたのは好材料。
当時は煙たかったであろうパパラッチの映像さえも、今では貴重な資料と言える。
ただ、余りにもプライベートな映像には、もしも当人が生きていたら喜んだかどうかは判断に困る印象も受ける。
歌詞を読む限り、エイミーの歌には彼女の人生そのものが反映されている。
生楽器ではないバック演奏を嫌うのもよくわかる。
精神的に強いタイプじゃなかったのは、ショービズ界で生きていくのにはプラスではなかっただろう。
それを知っても守れない周囲の大人たちへのいら立ちはスクリーンを通して伝わる。
(…と同時に憧れの歌手と対面した姿の喜びようは素が感じられて好感が持てる。)
映画は時系列に進むので理解しやすいが、エイミーに関心が薄い身としては編集にひとひねり欲しかった気もした。
(個人的には最初のパートを最後にした方が好みかな。)
なまじ歌の才能が「そこまで」じゃなければ、今も平々凡々と暮らしていたのかもしれないと思うと、なんだか複雑な思いもする。
どこまで愛を求めてもつかみきれなかった悲運の歌姫の行く末は、ファンならば涙なくして見られないだろう…。
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