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2016年07月16日01:34

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『疑惑のチャンピオン』

『疑惑のチャンピオン』

 オリンピック・イヤーにしてロシア陸上選手のドーピング問題に揺れる昨今にタイムリーな題材だろうか。
ツール・ド・フランスといえば自転車競技に詳しくない私でもそのレース名くらいは知っている。
そこで7連覇という偉業を達成したランス・アームストロングがドーピング問題に揺れる闇を暴く。
誰しも「成功の果実」の魅力には逆らえない人間の弱さが露呈する。

 ランス・アームストロングのドーピング・スキャンダルはニュースの見出し程度には聞いていたが、詳細は初めて知った。
しかし動機からして“黒い”のには驚いた。
例えば…20代でガンに罹ったランスがその治療過程の副作用で…だったらまた印象は違ったか。
事件がランス・アームストロング個人の問題にとどまらない指摘は事の根深さを示している。

 この手でありがちなレースのスリリングな演出もなく、ランスの内面もほぼ描かれないので再現ドラマとしてはよくできているのだが、もう少しドラマチックな見せ方があっても良かったかなぁ…と思ったらアメリカ映画じゃなく英国映画か。(妙に納得)

 ランス・アームストロングになり切ったベン・フォスターの熱演もあり見応えはあるが、『クィーン』のスティーヴン・フリアーズ監督は対象と距離を取ったように思え、割と淡々とした印象を受けた。
興味深いのは薬を入れるときよりもバレないようにする手法で思わず膝を打つ。

 ランス・アームストロング側の人間に共感できない分、追い詰めるジャーナリストの応援に力が入る。

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