『
好きにならずにいられない』
アイスランドの空港の手荷物係で単調な日々を送る43歳・童貞・デブでオタクに芽生えた恋物語。
イケメンの嘘くさく甘い恋物語なんぞよりも何百倍も心に染み入る。(苦笑)
40過ぎても母親と同居して、趣味といえば戦争もののジオラマで遊ぶくらい。
完璧にインドアで他人と付き合うのも苦手な非モテ男のフーシ。
想像するまでもなくフーシはずっとコンプレックスを抱えて生きてきたはず。
それは大人になっても変わらずに、自分を押し殺している。
偶然出会った女性に恋してしまうのだが、たどたどしいアタックも暖かな目で応援したくなる。
見た目は巨漢だが、小心で実に優しくて忍耐強い。
好きになった彼女のために、少しづつ自分の生き方を変えようと努力する姿が実に愛おしい。
ホレた相手が格別ベッピンでもないというのも好感が持てる。
フーシがこだわりを見せる<
エル・アラメインの戦い>はフーシの人生の転機をもなぞらえているのだろう。
中高年じゃなく、シャイな中高生ぐらいのころならフーシの行動に共感を覚える人も少なくないと思う。自立するのに多少遠回りしたかもしれないが、遅すぎることはない。成長には個人差がある。
だから世の女性は男の価値はツラの皮一枚でも財布の重さでもないことを…(苦笑)
“北欧のトトロ”とも呼ばれるグンナル・ヨンソンの抑えた芝居がとても良い。
小さな作品だが、まさに愛すべき映画。
ラストシーンにはきっとこみ上げるものがあるだろう。
ちなみに原題は主人公の名前。
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