『
教授のおかしな妄想殺人』
年齢の話をしては何だが、80歳にして毎年コンスタントに作品を発表し続けるウディ・アレン監督には頭が下がる。いつまでもお元気で…と願わずにいられない。
すっかりウディ・アレン映画のミューズとなった感もあるエマ・ストーンを迎えて、(若いころならウディ自身が演じたであろう)哲学教授にホアキン・フェニックスがキャスティングされる。
見た目がウディとホアキンではだいぶ違うけど(笑)、ウディのペシミズムが哲学教授に生かされる。
<人生は無意味>と人生に絶望する教授は殺人を思いついて光り輝くというブラックな設定。
哲学教授とは思えない幼稚な発想と行動にこそ最大の皮肉が込められているのか。
年相応で性格も健全な彼氏よりも悲観主義でヤバい哲学者にホレてしまう女学生にエマ・ストーン。
危険な匂いに惹かれるというのはいつの時代も一緒か。
しかし、その代償は小さくはない。
文脈は難解ではない(と思う)が、知的用語が沢山出てくるので、多少入り込みにくい。
…と思った前半だったが、“妄想殺人”を思いついてから一気に動き出す。
知力の高い教授にしてみれば、<正義>とて理屈の道具の一つに過ぎない点に危うさを感じる。
主人公にキャスティングされたホアキンの方がウディよりワイルド性を秘めていて、モテる理由づけとしては説得力がある。(笑)
エマ・ストーンが着こなすワンピース等のファッションが魅力。(まるで着せ替え人形)
殺人というキナ臭い題材にも関わらず、バックのジャズ音楽もあってか実に軽快に感じさせる。
どこか往年のヒッチコック映画を思わせる懐かしい感触もあった。
さて、ドストエフスキーの『罪と罰』を愛読する哲学教授の『罪と罰』はいかに…。
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