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2016年05月24日00:41

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『リップヴァンウィンクルの花嫁』

 試写会を除くと、ここんとこ邦画ばかり見ている…、何か不吉な予兆でなければいいのだが…(笑)

『リップヴァンウィンクルの花嫁』

 コミュニケーションの問題、ネット社会や現代の閉鎖的病巣をまとめたような題材で塗り固めてある岩井俊二の3時間にも及ぶ力作。

 実を言うとまともに岩井作品を鑑賞したのは初めて。
何となく繊細な人に見えていたが、やはりその第一印象は裏切られなかった。
これまでも女性の成長物語を多く手掛けていると聞くが、まさにこれも黒木華演じる派遣教員「皆川七海」の成長物語。

 SNSや空想の世界に住み、気が弱く自己主張できないばかりに周囲の言いなりになって転落していく姿には共感とともにいら立ちを覚える。
虚と実の対立構図が巧みに使い分けられる。
結婚式という<虚>と生活の<実>とのギャップ、ネット社会でのハンドルネームの嘘。
リアルな教壇に立つことと、スカイプによるレッスン。
バーチャルとリアルが混在する世界に現在地を忘れそうになる。
終盤、里中真白が非日常である物をリアルな物と説明するくだりで意図的なものを感じる。
(しかしCoccoの強い存在感は黒木華を食っていたな。)

 全体的に美しい映像と音楽が支配していて、まるでコマーシャル・フィルムかイメージビデオを見ている気分になってくる。実際、花嫁衣裳のシーンはそのまま宣伝に仕えるのではないか。(笑)

 TVドラマ版も製作されていることから3時間にも及ぶ長尺になってしまったのかもしれないが、話の内容からいえば映画は2時間程度に収める構成にして欲しかった。
導入の新婚生活を丸々カットしてCoccoと出会うところから始めてもいいのではないか?

 的外れな見解かもしれないが、タイトルを見た時に『フランシュタインの花嫁』から着想を得ているのかと思っていた。
フランケンシュタイン博士が生み出したモンスターが<里中真白>でプレトリアス博士が<安室行舛>…、何となくそう思えなくもない?(苦笑)

 タイトルにもなっているリップ・ヴァン・ウィンクルは「アメリカ版浦島太郎」という事でアメリカでは<眠ってばかりいる人>という慣用句でも使われるという。なるほどね。
明らかな偽名である安室の“実”が見えないのが気になった。

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