『俺たちとジュリア』@
イタリア映画祭2016
熟練の技を感じるコメディ映画。
小道具も伏線も効いているし、イタリアのカモッラ(マフィア)事情や田舎の生活環境の貧しさ、加えて現代人の生き急ぐ生活スタイルへの批判もチラリ。
人生につまずいたディエゴ、ファウスト、クラウディオの中年3人が各自資金を持ち寄って古い田舎の農家を買い取り、リノベーションしてホテル業で再生を図る。
絶えず人生の困難から逃げ回っていたルーザーたちが新たな人生を切り開こうとする古びた家の意図も痛いほどよく伝わる。まさに運命共同体なのだ。
再起を図るのは何も3人の男性ばかりではなく、その力は輪を広げてゆく点に可能性を感じさせる。
災い転じて…ではないが、不幸と思ったことが逆に幸運を運んでくるあたりも人生に対する応援メッセージを感じて好感が持てる。
主人公たちとマフィア共に社会から弾きだされた人々が集うが、その後の対処で運命は変わると言いたいのだろうか。
地上と地下という構造も比喩となっているようだ。
実際にこうした地方の問題は置き去りにされているのだろう。
現実は外国人の労働力なくして成り立たない分野もあるだろうに、先入観を持って異国民に排他的な態度をとることへの批判も感じられる。
そして地元にはびこるマフィアの縄張りの問題も当然の事…。
風光明媚な田舎の景色も作品に力を与えているように感じる。
実際に住むには不便なのかもしれないけど、映像ではとても魅力的に思える。
もう一人の登場人物ともいえる“ジュリア”の奏でる音楽が絶妙!(笑)
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