『Victor Frankenstein』
メアリー・シェリー原作のフランケンシュタインはいくども形を変えて映像化されたが、本作もその一つ。
オリジナル脚本とはいえ大筋では意外性はあまりないが、マッド・サイエンティストであるヴィクター・フランケンシュタインを演じたマカヴォイの醸し出す狂気はさすが。
ロンドンの医学生ヴィクター・フランケンシュタイン(ジェームズ・マカヴォイ)は、サーカスでケガをしたブランコ乗りのローレライを介抱した際に、せむしのピエロ(ダニエル・ラドクリフ)に人体解剖学の知識があることを知り、人造人間研究のためにイゴールと名付けて助手に迎える。
サーカス団員として奴隷のように扱われていたイゴールの視点でヴィクターの狂気が描かれる。
<イゴール>と<モンスター>共に新しい生き方を得るわけだが、人間が手を出してしかるべき領域の差異を見せたかったのではないか。
ヴィクターの狂気の裏付けに親へのコンプレックスを設置しているようだ。
モンスターに名づけられたプロメテウスという名は原作の原題から取られているのだろうが、知性と深みを取り去っているために、娯楽アクションの比重が高くなっている。
人間のモラル問題は技術の発展とは切っても切り離せない。
ギリシャ神話に登場する<プロメテウスの火>が持つ人間界にとってのリスクはここでも通用する。
TVドラマ『SHERLOCK/シャーロック』を手がけたポール・マクギガンがメガホンをとる。
ヴィクトリア朝が舞台となっているのは、そのためだろうか。(笑)
産業革命の機械化を受けて、スチームパンク的な仕掛けが魅力。
『SHERLOCK』つながりかモリアーティを演じたアンドリュー・スコットも出演するが、役柄がロンドン市警というのは興味深い。(笑)
ダニエル・ラドクリフのせむし演技が見どころの一つ。
特典映像の未公開カットで興味深いものがあった。
おそらく<もう一つのエンディング>だろう。
作品の趣が変わるので使用されなかったのだろうが、個人的には没になったのは惜しまれる。
日本公開未定(香港盤BDに日本語あり)
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