『
アーロと少年』
もしも太古に巨大隕石が地球に落下しなかったら恐竜は絶滅しなかったのではないか、そして恐竜たちが進化して地球の支配者になっていたら…という“もしも”の世界を描く。
“恐竜”なのに弱虫で臆病なアパトサウルスのアーロが人間の子どもスポットの力を借りながら成長する冒険物語でディズ二ー・ピクサーらしい予定調和なのだが、何をさてお
きCGによるリアルで高精細な自然描写に圧倒される。
水の透明度に水面の揺らぎ、木々のざわめきに鳥たちの飛翔、遠方の山々を包む空気感などあまりにもリアルで実写かと見まごうばかり。
いや、現実の実写以上かもしれない。
それというのも<人間が地球を汚さなかったら、ここまでピュアなんだよ>と言わんばかり。
セリフも控えめで、極力映像で伝えようとしている点も好感が持てる。
アーロとスポットの関係が、まるで現代の人間と犬のようだ。これも風刺を感じて新鮮な印象を受ける。またスポットの表情の豊かなのもよい。
アーロ一家が畑を耕していたり、肉食T-レックスが牛を放牧しているなど、現実の人間社会の置き換えも面白い。
家族からはぐれたアーロが、他の種を通して家族問題を考える筋書きになっているのは定番だが、良く書けていると思う。
主要キャラをタレントが務める吹き替え版のみの上映は、不安もなくはなかったが良い方に外れたようだ。
同時上映の短編『ボクのスーパーチーム』はヒンドゥー教を扱ったヒーローもので、やはり家族関係が織り込まれる。派手なアクションを見るに、もっと長尺でも良かったかという思いもする。
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