『チリ33人 希望の軌跡』
まだ記憶にも新しい2010年に起きたチリのサンホセ鉱山落盤事故。
事故の経緯は毎日のようにニュースでも流れていたので周知のことと思う。
これは閉じ込められた33人の世紀の救出劇を描いた実話物。
見所は地下700メートルの鉱山内で作業員たちが何を思いどう過ごしていたのかということであろう。
一言で言えば、予想通りの感動ものに仕上がっている。
少ない食料や水、救助の可否、いらだつ人間関係の中でひたすら忍耐力と信念が試される。
緊急時に大事なのは的確なリーダーの存在というのはもっともな話。
分かっていても食料配分にまつわる緊張感は伝わる。
誰もが知る事故をわざわざ描くのは、昨今よく見られる孤立無援の中でのサバイバルに共通するか。
空気こそあるものの、ある意味『オデッセイ』のような宇宙遭難ものに近いかもしれない。気の遠くなるようなミッションに世界各国の協力が不可欠というのも国際化社会を反映している。
また、危険に身を投じて働く者が得る報酬と、安全な所で身勝手に権力を振りかざすものとの比較もあるのではないか。
実際、この事故の政治利用という側面も後に表面化したと記憶してる。
監督はパトリシア・リゲン。まだキャリアの浅い女性監督で、これほどのスケールの作品を任されたのはちょっとした驚きだったが、脚本家チームが豪華。
マイク・メダボイ(『ブラック・スワン』)、ホセ・リベーラ(『モーターサイクル・ダイアリーズ』)が原案を作り、『ダラス・バイヤーズクラブ』のクレイグ・ボーテンが脚本作りに加わったという。
ドリームチームなのでさぞかし練りに練った脚本かと思うが、意外にも奇をてらわずにストレートな勝負に出ている。欲を言えば、もう少し掘り下げて欲しかった気もするのだが…。(苦笑)
アントニオ・バンデラス、ガブリエル・バーン 、ジュリエット・ビノシュといった作品を彩る国際派スターたちの競演も見逃せない。
人気作曲家ジェームズ・ホーナーがスコアを手掛けていることも忘れてはなるまい。
映画の大半が暗い穴の中なので暗部と閉所が苦手な人には辛く感じるかもしれないが、事故にあった作業員たちを思えば何でもないだろう。(笑)
しかし、
冒頭で歌われるプレスリーの“あの曲”は出来すぎなくらいの演出なのだが、事実だったのか気になるなぁ。
今年公開予定(IMDbでは5月14日だけど?)
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