『
COP CAR/コップ・カー』
スパイダーマンの再リブート(!)に抜擢されたジョン・ワッツ監督の『クラウン』に次ぐ長編2作目。
コロラドのどこかで、家出中のトラヴィスとハリソンの仲良し二人組が乗り捨てられたパトカーを見つけてドライブに行ったことから事件が始まる。
ヤンチャな少年二人が本物のパトカーを見つけたのだ。男の子なら一回くらいはやるであろう警官ごっこが本物のパトカーで出来る高揚感は伝わる。
だが、それで持ち主の保安官ミッチ・クレッツァー(ケヴィン・ベーコン)に追われることとなる。
人間は必死になればなるほど滑稽である。
少年を追いかけてパトカーを取り返そうとする保安官の追走劇は緊張感でビッシリ汗をかきそうになるのが通例だが、ワッツ監督はわざと外すのだ。(笑)
その微妙な滑稽さが本作の魅力になっている。(冒頭の外し方もなかなか…。)
だだっ広い平野で、行けども行けども何もない風景は世界から隔離されたかのようでもある。
それは二人の少年たちが家庭から隔絶されていることの暗喩になっているのか。
ロケ地がコロラドなのは少年らが(コロラド出身の)監督自身と重なっているに違いない。
パトカーや保安官の制服の意味するところはいうまでもなく正義そのもの。
少年とクレッツァーの行動を見れば明らか。
ふと疑問に感じるのはただの通行人であるオバちゃんの扱いか。
邪推かもしれないが、おせっかいオバちゃんは少年らの保護者の投影ではないかと見ている。それなら結末には一応の納得がいく。
人によっては『スタンド・バイ・ミー』を思い浮かべるかもしれない自立と成長に心動かされる。
ワケアリ保安官を演じるケヴィン・ベーコンが製作総指揮も兼ねる。
おとなしめのハリソンを演じたヘイズ・ウェルフォードは短編などでキャリアがあるようだ。
一方、少しワイルドなトラヴィス役のジェームズ・フリードソン=ジャクソンは本作がスクリーンデビューということらしい。
共に将来を期待させる子役たちに思える。
4月9日、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開。
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