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2016年03月05日01:04

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『偉大なるマルグリット』

『偉大なるマルグリット』

 クジャクの求愛と言ったら、どういう行動を思い浮かべるか。
てっきりオスが豪華な翼を広げて…とばかり思っていた。
いや、それも正解なのかもしれないが、もしかしたら勘違いしていたのかも。

 内輪だけで<歌声を披露>していたときは収まっていたが、音痴であることを自覚しない奥様はこともあろうに劇場を借りてリサイタルを開きたいと願うようになる。
なんとしても阻止しようとする夫との不協和音は解消できるのか。
予告編からジャイアンのオペラ版(?)みたいな可笑しさが先立つが、これは切ない切ない愛の悲喜劇。

 舞台は1920年のパリ近郊、豪華な邸宅に暮らす貴族の奥方が主役。
生活水準の高さや交友関係の広さがその人物を物語る。
クジャクをペットとして飼っているくらい庶民の生活とはかけ離れている。
だが社会的ステータスや資産がふんだんにあったからと言って幸せとは限らない。
お金で買えないことも人生には間々あること。
マルグリット夫人がなぜ音楽にこだわったのかという点が詳らかになるとき、見ているこちらのハートが熱くなる。

 モデルとなった人物がいたというから驚きだが、音痴でも誰からも愛されていた人物を演じるのは誰にでもできることではないと思う。
オペラに愛を注ぎながらも見返りが乏しいマルグリット夫人をフランスの名女優カトリーヌ・フロ(『大統領の料理人』)が好演。
チャーミングな振る舞いに、ついほおが緩む。
黒人執事のスキルの高さと忠実度には思わず唸らずにはいられない。
影の主役と言っては言い過ぎか。

 オペラが好きな人は、一聴の価値はあると思う。
それとも好きゆえに席を立ちたくなるか…。(苦笑)
クジャク、羽、狩りの獲物などが示す比喩にドキリとする瞬間もあり、グザヴィエ・ジャノリ監督の手腕は感じる。
豪華な調度品なども見どころの一つ。
惜しむらくは夫に今一つ魅力が乏しい点か。たらーっ(汗)

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